
我々、日本人の食生活は戦後の経済復興とともに急速に変化し、とくに70年代に世界各国からファーストフードなどの流入により、肉と「脂」をかなり摂取するようになりました。これによって脂のおいしさが日本中に広まり、エネルギー摂収量が爆発的に増えていきました。
この肉の「脂」がもたらした味覚の変化は魚までにも及びました。魚にも「脂」を強く求めるようになったのです。 そして旬の概念も昔は水揚げ量の多い時期を旬と言いましたが、今では「脂」志向が強く、「脂」ののる時期を指すようになってきました。この傾向は養殖魚の増大とともに加速していきました。養殖魚は限られたスペースで飼育されるため運動不足、成長を促進させるために高脂肪のエサを与えるので当然、身質に「脂」がつきやすくなります。近年話題になっている養殖マグロなどは全体の約80%がトロと言われていますが、「脂」自体の質はともあれ「脂」を好む味覚にマッチしており「脂」の少ない天然物よりおいしいと評価する人が増えているのも事実です。とはいえ魚の「脂」にもすごいところがあるのです。青魚に多く含まれるDHAという脂成分は頭の働きを活発にし、アレルギーや心筋梗塞の予防に効果があると言われています。
同じく魚に含ま れるEPAには、血行をサラサラにする効果があり、これらは人間の体 内では作ることができない物質なので、魚などから摂取するしかありません。とはいえ何でも摂りすぎは注意が必要です。魚の「身」自体のおいしさにも目を見張るものがあるので「脂」ばかりにこだわらずに、もっと多くの魚介類を楽しみましょう。