
食品保存に欠かせない「サランラップ」は、現代の台所の必需品となっています。この「サランラップ」の名前は、実はアメリカの二人の奥さんの名前に由来しています。サランラップの前身ともいえる合成樹脂が初めて登場したのは、1900年代のアメリカでした。当時、合成樹脂は戦争に利用され、兵士を蚊から守るための蚊帳や、水虫を防ぐための靴の中敷き、銃弾を湿気から守る包装材などに使われていました。第2次世界大戦が終わると、これらの需要は大幅に減少しました。そこで、フィルムメーカーに勤めていたラドウィックとアイアンズという技術者は、新たな用途を考えなければならなくなりました。彼らはフィルムに様々な改良を加えましたが、適切な用途がなかなか見つからず、苦心していました。
ある日、ラドウィックとアイアンズは、それぞれの奥さんを連れてピクニックに出かけました。ラドウィックの奥さんは、たまたま夫の会社のフィルムでレタスを包んで持っていきました。お昼にそのフィルムを剥がすと、そのレタスはまだみずみずしく鮮度を保っていたのです。その様子を見た二人の技術者は、「これは食品保存に使える!」と確信し開発に着手。こうしてサランラップ1号が完成しました。
試験的に販売されたサランラップは大変な人気を呼び、結果は上々でした。ラドウィックとアイアンズは、奥さんたちのアイデアに敬意を表し、それぞれの名前をもとに商品名を付けました。「サラとアンのラップ」すなわち「サランラップ」と命名されたのです。これはまさにアメリカ版の「内助の功」と言えるでしょう。