今年も待ちに待ったふぐのシーズンがやってきます!
刺身、鍋、唐揚げ、煮こごり、どれをとっても美味しく、ファンも待ち望んでいると思います。
今シーズンの産地の状況ですが、夏場の異常気象と海水温の上昇が原因で、養殖トラフグの成長が遅れています。トラフグの養殖には、海面養殖と陸上養殖の両方がありますが、特に海面養殖は海水温の上昇により餌の食べ辛さが問題となり、通常は1年で1キロ以上の出荷が可能なはずが、現在は0.7〜0.8キロにとどまっています。当社ではシーズンの始まりに向けて長崎や佐大分などの陸上養殖のふぐを出荷する体制を整えています。ぜひ一度お試しください。
ふぐの歴史
今をさかのぼる事古代縄文時代の貝塚からふぐの骨が見つかり、中世には文禄慶長の役で九州に集結した武士の間でふぐ毒での死亡も多く、江戸時代には武士に対しふぐを食べることを禁じる藩が多かった。特に長州藩は家禄没収などの厳しい処分もあり、吉田松陰はふぐ食に対して批判する文章も残している。明治に入ってもふぐによる 中毒は多く明治5年の東京新聞にはふぐを禁じるとある。明治21年に伊藤博文が下図でふぐを食べ、その味に感嘆した伊藤は山口県知事に働きかけて、山口県下ではふぐ食が解禁された。翌年フグ毒が生魚の体内にあること、水に解けやすいことなどから、それがタンパク質でないことを証明し、毒力表を作成した。
東京では25年に内臓を取り除くことを条件にふぐの販売が許され、他の地域はふぐの販売が禁止されていたがほとんど有名無実であった。
1947年に食品衛生法が制定されると、各都道府県で ふぐの販売に関する条例制定がなされるようになり、東京都では1949年に日本初のふぐ調理師試験が行われた。1983年に当時の厚生省局長通達、フグの衛生確保についての新しい措置基準により22種類の販売可フグとその部位が示され、それ以外の販売は禁止された。