税制が生み出した日本の傑作「乾物」!

コラム
2026年02月04日

フカヒレや干しナマコといえば、現在では中華料理の高級食材として広く認識されています。しかし、これらの乾物は、もともと辿ると日本の奈良時代から平安時代にかけて生み出された食材なのです。

 古代律令社会では、「租庸調」という税制が実施されていました。「租」は田から収穫される米などの農作物、「庸」は労役を意味し、「調」は地方の特産品を中央政府に納める制度でした。特産品の「調」は、織物などはそのまま運ぶことができましたが、海産物は生のまま運ぶと途中で腐ってしまいます。そこで、天日干しにして乾物にする方法が考案されました。干しアワビ、干しサザエ、干しハマグリ、干しナマコ、フカヒレなどの乾物がこうして納税のために作られるようになったのです。さらに、天日干しにすると動物性タンパク質が紫外線の作用を受けて発酵し、うま味が増すことが発見されたことにより、魚の内臓を取り出して干すなどの工夫がなされ、ますます美味しい乾物が生み出されるようになりました。

 その後、乾物の技術は海産物だけに留まらず、野菜や果物にも応用されました。干し柿や干しリンゴ、干し大根などが広く食べられるようになり、例えばミカンの皮は天日で干して「陳皮」として利用されました。陳皮は漢方薬としても使用されるようになり、保存食としての価値が認められていったのです。やがて、これらの乾物は日本から中国に伝わり、中国料理に広く取り入れられるようになりました。日本の技術と知識が海を越えて中国に渡り、今日の中華料理の一部として使われるようになったのです。

 このように、日本の古代からの知恵と工夫が、現在の中華料理にまで影響を与えているのです。フカヒレや干しナマコは、その豊かな歴史と文化を背負いながら、今もなお人々に愛され続けています。

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