春のお便り

コラム
2025年03月05日

「細魚」

サヨリはその外見からも分かる通り、非常に繊細で臆病な性格を持つ魚です。

まず、サヨリはまっすぐに泳ぐことしかできず、水槽内での自由な泳ぎが難しいとされています。彼らは水槽内で前進しようとする際、水槽の壁に下あごを突き立てて努力しますが、その結果、しばしば疲れ果ててしまい、生きている間に何度も死亡すると言われています。この独特の泳ぎ方と行動は、サヨリの生活環境に適応したものであり、彼らの繊細さや臆病さを反映しています。

また、サヨリは非常に驚きやすい性格を持っています。外部からの刺激や急激な動きに対して敏感で、驚いたり脅威を感じると、水面を弧を描いて2メートル近くもジャンプすることがあります。このジャンプ行動は、彼らが逃げるための防衛メカニズムの一部であり、自然界で捕食者から逃れるために発展したものです。

サヨリの特異な行動と性格は、彼らの環境での生存戦略の一部として理解されています。彼らは繊細さと臆病さからくる独自の行動パターンを持ち、これが彼らが生き延びるための戦略として進化してきたと考えられています。

「鰆」

サワラはその美味しさから、「サワラに刺身で皿を舐めた」とまで形容されることがあり、寿司ネタとしても非常に高い評価を受けています。しかし、その一方でサワラは大変「身割れ」しやすいという特性があり、その取り扱いには慎重さが求められます。

サワラの「身割れ」とは、身が崩れやすく、刺身や寿司のネタとして提供する際に形が崩れたり、見た目が美しくないことを指します。このため、調理や提供時に特に注意が必要であり、職人の技術と経験が試される対象と言えます。

面白いことに、サワラにまつわる民間信仰として、「サワラぬ神に祟りなし」という言い伝えがあると言われています。この言い伝えによれば、サワラはその特性から、鮨屋や料理人たちに恐れられ、手を出すのが難しいとされています。一方で、この言い伝えが本当に信じられているかは議論の余地があり、実際に神秘的な祟りが起きるわけではないことがほとんどでしょう。

要するに、サワラは美味しいが扱いが難しいという特性を持ち、その調理には熟練の技術が必要です。一方で、伝説的な「サワラぬ神に祟りなし」という言い伝えは、サワラの難しさにちなんだ風土や民間信仰の一部として、食文化に彩りを添えています。

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