水深40〜80メートルの海底に生息する。量はアマダイと同じはえ縄だが、針や糸のサイズが大きい。夜行性のため、漁は夜中。午後6時ごろ、餌の生きたイワシや味を積んで港を出る。沖合の漁場に着くと自動操縦で進ませながら、9〜10メートル間隔の針に餌を差し、海中に次々と投げ込む。全長12〜15キロに及ぶはえ縄を投げ終えるには、たっぷり2時間はかかる。
その後、最初の地点に戻って、モーターで縄を巻き上げる。鋭い歯をむき出しにした羽毛が見えると、枝糸の部分を切って素早く水槽に放り込む。ハモは暴れまわるから、水槽に入れるまで気が抜けない。けど、水揚げされた鱧は、出荷されるまで漁協の水槽に入れておく。「死んだハモは全く味が変わって市場価格も十分の一に落ちてしまう。従って、活魚としての出荷が原則。
ハモの歴史
日本ではハモは高級食材として扱われ、特に京料理では祇園祭に食べる風習があり、夏の味覚の代表的なものとして珍重される。関西と関東の文化の違いが現在に至るまで如実に表れている食材の一つである。
関西においても鱧は夏の高級食材であるが、スーパーにおいても刃物湯引きなどは広く販売されており、生活に密着した食材である。一方、関東においては高級日本料理店以外ではあまり目にかかることはなく、生活に密着した食材とは言えない。消費量も関東の鱧消費量は関西の十分の一程度である。鱧の水揚げが多くない京都においてなぜ鱧を食べる文化が発達したかについては、輸送技術が発達していなかった頃夏に京都まで生きたまま輸送できたとされ、生命力の非常に強い数少ない魚である。また、一説には養蚕が盛んで京都へ絹糸を供給していた大分県中津市の行商人などが京都へ食文化を伝えたとも、一説には中津藩の隣接する天両日田に招聘されていた京の料理人が往来の途中に隣国中津の漁師から「骨切り」の技術共々を教えられ持ち帰ったとも言われており骨切り技術の発祥地である中津市の料理人が伝え現在につながっている。
ハモには京都のイメージがありますが、徳島県の漁獲高は全国有数。関西では夏の味覚として欠かせない食材で、「ハモの落とし」が特に有名です。意外と知られていませんが、10月頃から再び旬を迎え、京都ではこの時期のハモを松茸鱧「金鱧」とよび、鍋料理などの食材として珍重しています。蒸し物や照り焼き、蒲焼や天ぷらなどもおすすめ。日本料理の食材だと思われがちですが、ムニエルやフライなどにも向いています。
- 漁獲盛期:6月〜9月
- 主な産地:阿南市、徳島市、牟岐町、小松島市
語源は鋭い歯を持ち、生きているときには人に向かってくる。すなわち「はむ(食む)」、「はむ(咬む)」からきている。