蛤のあれこれ

コラム
2026年03月04日

旬と産地

 「その手は桑名の焼き始」という洒落は今でも聞かれるかもしれませんが、かつては東海道五十三次の名物として知られていました。昭和40年代まで、三重県桑名市では年間3,000トンものハマグリが水揚げされていましたが、その後急激に減少し、近年ではわずか数十トンにまで減少しています。他の地域も同様の状況ですが、熊本県などでもハマグリの水揚げがあります。チョウセンハマグリも同じく減少しており、茨城県や宮崎県が主な産地です。ハマグリの旬は春で、夏場が産卵期のため、その前の春に身が太ります。冬は成長が止まるものの、栄養が蓄えられて旨味とコクが増す時期です。古くは旧暦3月のひな祭りがハマグリの食べ納めとされていました。

蛤御門

 京都御所には「蛤御門」という有名な門があります。幕末に長州藩が薩摩・会津連合と戦って敗れた「蛤御門の変」として歴史に名を刻んでいます。この門は元々「新在家御門」と呼ばれ、常に閉ざされていましたが、「宝永の大火(1708年)」の際に初めて開門されたことから、「焼けて口開く蛤御門」と呼ばれるようになり、その後「蛤御門」として知られるようになりました。このような大災害の後でも衰えない庶民の機知と力強さに感心させられます。

不良

 少年などが非行に走ることを「ぐれる」と言いますが、この言葉はハマグリに由来しています。江戸時代から使われるようになったこの言葉は、ハマグリの貝殻が対になっている殻以外とはぴったり合わない性質に由来します。これから「はまぐり」の倒語として「ぐれはま」という言葉が生まれ、食い違って合わないことを意味するようになりました。それが「ぐれはま」に変化し、さらに「ぐれ」と略されるようになり、「ぐれる」という動詞が生まれました。ちなみに、「ぐれはま」の漢字は「蛤」を180度回転させたものとしても見られます。

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