常にスーパーやレストランで見かけるマグロですが、マグロにも旬があることはご存知ですか?
他の魚と同様に、一年の中で最も美味しい時期があります。実はマグロの最もおいしい季節は冬なんです。日本近海で獲れるマグロは、5月から7月にかけて産卵期を迎えます。その後、孵化したマグロは成長し、秋から冬にかけて脂がのってきます。この事から、マグロの旬を示す季語として冬が挙げられます。
では、広範囲を泳ぎ回るマグロは、どのルートを通るのでしょうか。クロマグロの主要な産卵地は、日本の南西諸島からフィリピン東方の海域に広がります。このため、産卵期の5月から7月には、多くのクロマグロがこのエリアに集まります。そして、孵化したマグロは北上し、日本海側と太平洋側のルートに分かれます。このため、日本の多くの地域で水揚げされるのです。
中でも、青森県の大間は、マグロの名産地として有名です。大間の特徴は、日本海と太平洋の両方でクロマグロが捕れる点にあります。また、春には、青森や北海道よりも南で、産卵場所に帰るマグロが多く獲れます。このように、美味しいマグロが取れる場所は季節によって変わるのです。
さらに興味深いことに、一部のマグロは日本からアメリカやメキシコまでの遠くの海域まで移動します。そのため、季節や状況によっては、輸入されたマグロの方が美味しいこともあるんです。例えば、夏はクロマグロの旬ではありませんが、この時期にはオーストラリアやニュージーランドで獲れるミナミマグロが特におすすめです。マグロを楽しむ際は、季節や産地を考慮して、最も美味しいマグロを選びたいですね。