鱈場蟹
タラバガニは言葉のみでなく実質的なカニの王者と言ってもよいでしょう。カニの身肉への渇望を十分満たせるのは、巨大なタラバならではです。グルタミンさんやイノシン酸他豊富な旨味成分を含むタンパク質、そして超低脂肪高タンパク、低コレステロール、しかもタウリンも多い。文句なしの健康食品でもあるわけです。
カニの王者と書きましたが、歩脚が3対しかないこと、カニは横歩きしますが、たらばは縦方向にも移動出来る事。雌の腹部が左右非対称でもあり、これらはヤドカリの特徴です。つまり正確には、「カニ型のヤドカリ」になります。三大ガニのひとつで、カニとして流通してますから、我々にとってはカニです。英名でもKing crab。生息域は日本海から北海道沿岸、北太平洋と北極海はアラスカ沿岸、オホーツク海。ペーリング海。沖合底引き網や刺し網で漁獲されます。
1977年の200海里漁業水域設定で姿を消した「蟹工船」はタラバを船上で缶詰にまで加工していました。この時代はタラ漁の方が重要で、タラの漁場と重なるタラバガニは鱈量の邪魔になるとして駆除する事もあったとか。今では考えられない話です。
タラバの名の由来はこのタラ漁から。つまり鱈の場所にいるかにで「鱈場」今ではタラよりはるかに貴重な水産資源ですが、減少の一途です。30年以上の長い寿命で成長が遅いこともあり、養殖も困難。日本では「農林水産省令「タラバ」カニ類採捕取締規則」などにより保護に力を入れるようになりましたが、1国だけではどうにもなりません。
雌、雄 どう違うの?
タラバガニのおすすめですけども、日本ではメスのさいほが禁止されてますから国産のメスというのは無いはずです。しかし法令は販売に関しての規制までしてませんからロシア産のメスは「子持ち」として売られています。
タラバガニのオスとメスの見分け方は「ふんどし」が全然違うのですぐに分かりますね。オスが左右相称なのに対しメスは著しく左右非相性で、右にねじれています。
瓜二つ
記憶に新しい2004年の偽タラバガニ騒動。そっくりなアブラガニをタラバと偽って販売していた業界の実態が明らかになり、公正取引委員会が景品表示法の規定違反で大手の流通各社に排除命令を出し、大きく報道されました。外見上の違いは少なく「エビ目タラバガニ科タラバガニ属」であることも同じなので、タラバとして通していたんでしょう。魚介の流通では珍しく無い話です。
しかしタラバガニとは違いますので、事件以来販売業者る業者もいないとは思いますが…アブラガニ以外に、非常に外見が似たカニがおりまして、あまり知られていない事から近藤の心配があるが、イバラガです。イバラガニモドキ、キタイバラガニ、エビイバラガニの三種が主に漁獲されます。その絶対量は少ない様ですが、明確な表示を徹底すべきだと思います。