魚の旨味を最大限に生かす「活け締め」~生食文化の知恵~

コラム
2024年03月20日

魚の生食が一般的となったのは第二次世界大戦以後で日本の食文化の魚の生食は比較的新しい習慣と言えるかもしれません。全国的にその背景には、電気冷蔵庫の家庭への普及、都市機能の近代化に伴う輸送手段や衛生環境の向上が影響しています。しかしこの背景だけで生食が広がったわけではなく、日本人が長い歴史を通じて培ってきた魚に関する深い知識や技術が大きな役割を果たしています。この伝統的なノウハウが現代の技術と結びつき、生食文化が花開いたのです。

 特に、魚を扱う際の技術の中で「活け締め」という方法があります。これは、魚を死なせる際に、死後の硬直を遅らせ、鮮度を最大限に保つための技法です。この方法により、魚の旨み成分が減少するのを防ぎ、生臭さや雑菌の繁殖を最小限に抑えることができます。一方で、活け締めをせずに魚を死なせる方法を「野締め」と称しますが、この方法では魚が窒息死する間、味や鮮度が損なわれることが多いです。

 活け締めされた魚は、食感が柔らかくなり、旨みが最高潮に達します。しかし、野締めの魚は旨みのピークに達する前に最良の食べ頃が終わってしまいます。一般的に、魚は生きている時柔らかく、死後に硬直して身が固くなるため、コリコリとした食感が生まれます。また、時間が経つと魚は熟成され、その旨みが増していき、最終的には調理して食べるのが一番美味しい状態となります。

 この活け締めは、鮮度と旨みを最大限に引き出すことができる方法として知られていますが、一匹一匹丁寧に行うため、大変手間がかかります。そのため、一般的には高級魚を中心に行われることが多いです。しかし、岬水産では、お客様に最高の魚を提供するため、取り扱う魚全てをこの活け締めで処理し、適切な温度管理を守りながらお客様のもとへとお届けしています。

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