磯の王者!石鯛

コラム
2024年05月15日

高級魚としても知られているイシダイ。イシダイは肉食性で、その食事は主に甲殻類、貝類、ウニ類などの底生生物から成り立っています。これらの動物の堅い殻も、そのくちばしのような顎で容易に砕かれ、中身が食べられます。「サザエの貝殻も噛み砕く」と言われることもありますが、実際に釣り上げたイシダイの胃内容物を調べてみると、サザエやアワビ等の硬い貝が見つかることは稀です。胃の中に多く見つかるのは、漁師が「藻エビ」と呼ぶ海藻の中に隠れて生息する小さなエビやカニ、ヤドカリなどです。

 体色は基本的に白地に7本の太い横縞がありますが、成長段階や個体によって、白色部分が金色や灰色に変わることもあり、また横縞が隣接してつながることもあります。幼魚や若魚ではこの横縞が鮮明で、この時期には「シマダイ」とも呼ばれます。しかし成長するにつれて白と黒の色調が互いに灰色に近づき、縞模様が不鮮明になります。特に成熟したオスは、全身が鈍い銀色の光沢を持つ灰色に変わり、尾部周辺にかすかな縞模様が残る程度になります。口の周囲が黒くなるため、「クチグロ」と呼ばれます。

 一方、メスは老化しても全身が灰白色の地に大小の黒褐色斑紋で覆われた独特の模様が残ります。その和名「イシガキダイ」は、この模様が石垣を連想させることから来ています。しかし、この模様も成長につれて細かくなり、特に成熟したオスでは斑点が消失し、全身が灰褐色になります。同時に口の周囲が白っぽくなるため、この時期のオスを「クチジロ」と呼びます。しかし、メスは老化しても斑紋が鮮明に残り、口の周囲が白くなりません。イシダイは成長が早く、大型に育つと言われています。

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